創世記 34

1 レアがヤコブに産んだ娘デナはその地の女たちに会おうと出かけて行ったが、 2 その地のつかさ、ヒビびとハモルの子シケムが彼女を見て、引き入れ、これと寝てはずかしめた。 3 彼は深くヤコブの娘デナを慕い、この娘を愛して、ねんごろに娘に語った。 4 シケムは父ハモルに言った、「この娘をわたしの妻にめとってください」。 5 さてヤコブはシケムが、娘デナを汚したことを聞いたけれども、その子らが家畜を連れて野にいたので、彼らの帰るまで黙っていた。 6 シケムの父ハモルはヤコブと話し合おうと、ヤコブの所に出てきた。 7 ヤコブの子らは野から帰り、この事を聞いて、悲しみ、かつ非常に怒った。シケムがヤコブの娘と寝て、イスラエルに愚かなことをしたためで、こんなことは、してはならぬ事だからである。 8 ハモルは彼らと語って言った、「わたしの子シケムはあなたがたの娘を心に慕っています。どうか彼女を彼の妻にください。 9 あなたがたはわたしたちと婚姻し、あなたがたの娘をわたしたちに与え、わたしたちの娘をあなたがたにめとってください。 10 こうしてあなたがたとわたしたちとは一緒に住みましょう。地はあなたがたの前にあります。ここに住んで取引し、ここで財産を獲なさい」。 11 シケムはまたデナの父と兄弟たちとに言った、「あなたがたの前に恵みを得させてください。あなたがたがわたしに言われるものは、なんでもさしあげましょう。 12 たくさんの結納金と贈り物とをお求めになっても、あなたがたの言われるとおりさしあげます。ただこの娘はわたしの妻にください」。 13 しかし、ヤコブの子らはシケムが彼らの妹デナを汚したので、シケムとその父ハモルに偽って答え、 14 彼らに言った、「われわれは割礼を受けない者に妹をやる事はできません。それはわれわれの恥とするところですから。 15 ただ、こうなさればわれわれはあなたがたに同意します。もしあなたがたのうち男子がみな割礼を受けて、われわれのようになるなら、 16 われわれの娘をあなたがたに与え、あなたがたの娘をわれわれにめとりましょう。そしてわれわれはあなたがたと一緒に住んで一つの民となりましょう。 17 けれども、もしあなたがたがわれわれに聞かず、割礼を受けないなら、われわれは娘を連れて行きます」。 18 彼らの言葉がハモルとハモルの子シケムとの心にかなったので、 19 若者は、ためらわずにこの事をした。彼がヤコブの娘を愛したからである。また彼は父の家のうちで一番重んじられた者であった。 20 そこでハモルとその子シケムとは町の門に行き、町の人々に語って言った、 21 「この人々はわれわれと親しいから、この地に住まわせて、ここで取引をさせよう。地は広く、彼らをいれるにじゅうぶんである。そしてわれわれは彼らの娘を妻にめとり、われわれの娘を彼らに与えよう。 22 彼らが割礼を受けているように、もしわれわれのうちの男子が皆、割礼を受けるなら、ただこの事だけで、この人々はわれわれに同意し、われわれと一緒に住んで一つの民となるのだ。 23 そうすれば彼らの家畜と財産とすべての獣とは、われわれのものとなるではないか。ただわれわれが彼らに同意すれば、彼らはわれわれと一緒に住むであろう」。 24 そこで町の門に出入りする者はみなハモルとその子シケムとに聞き従って、町の門に出入りするすべての男子は割礼を受けた。 25 三日目になって彼らが痛みを覚えている時、ヤコブのふたりの子、すなわちデナの兄弟シメオンとレビとは、おのおのつるぎを取って、不意に町を襲い、男子をことごとく殺し、 …

創世記 33

1 さてヤコブは目をあげ、エサウが四百人を率いて来るのを見た。そこで彼は子供たちを分けてレアとラケルとふたりのつかえめとにわたし、 2 つかえめとその子供たちをまっ先に置き、レアとその子供たちを次に置き、ラケルとヨセフを最後に置いて、 3 みずから彼らの前に進み、七たび身を地にかがめて、兄に近づいた。 4 するとエサウは走ってきて迎え、彼を抱き、そのくびをかかえて口づけし、共に泣いた。 5 エサウは目をあげて女と子供たちを見て言った、「あなたと一緒にいるこれらの者はだれですか」。ヤコブは言った、「神がしもべに授けられた子供たちです」。 6 そこでつかえめたちはその子供たちと共に近寄ってお辞儀した。 7 レアもまたその子供たちと共に近寄ってお辞儀し、それからヨセフとラケルが近寄ってお辞儀した。 8 するとエサウは言った、「わたしが出会ったあのすべての群れはどうしたのですか」。ヤコブは言った、「わが主の前に恵みを得るためです」。 9 エサウは言った、「弟よ、わたしはじゅうぶんもっている。あなたの物はあなたのものにしなさい」。 10 ヤコブは言った、「いいえ、もしわたしがあなたの前に恵みを得るなら、どうか、わたしの手から贈り物を受けてください。あなたが喜んでわたしを迎えてくださるので、あなたの顔を見て、神の顔を見るように思います。 11 どうかわたしが持ってきた贈り物を受けてください。神がわたしを恵まれたので、わたしはじゅうぶんもっていますから」。こうして彼がしいたので、彼は受け取った。 12 そしてエサウは言った、「さあ、立って行こう。わたしが先に行く」。 13 ヤコブは彼に言った、「ごぞんじのように、子供たちは、かよわく、また乳を飲ませている羊や牛をわたしが世話をしています。もし一日でも歩かせ過ぎたら群れはみな死んでしまいます。 14 わが主よ、どうか、しもべの先においでください。わたしはわたしの前にいる家畜と子供たちの歩みに合わせて、ゆっくり歩いて行き、セイルでわが主と一緒になりましょう」。 15 エサウは言った、「それならわたしが連れている者どものうち幾人かをあなたのもとに残しましょう」。ヤコブは言った、「いいえ、それには及びません。わが主の前に恵みを得させてください」。 16 その日エサウはセイルへの帰途についた。 17 ヤコブは立ってスコテに行き、自分のために家を建て、また家畜のために小屋を造った。これによってその所の名はスコテと呼ばれている。 18 こうしてヤコブはパダンアラムからきて、無事カナンの地のシケムの町に着き、町の前に宿営した。 19 彼は天幕を張った野の一部をシケムの父ハモルの子らの手から百ケシタで買い取り、 20 そこに祭壇を建てて、これをエル・エロヘ・イスラエルと名づけた。

創世記 32

1 さて、ヤコブが旅路に進んだとき、神の使たちが彼に会った。 2 ヤコブは彼らを見て、「これは神の陣営です」と言って、その所の名をマハナイムと名づけた。 3 ヤコブはセイルの地、エドムの野に住む兄エサウのもとに、さきだって使者をつかわした。 4 すなわちそれに命じて言った、「あなたがたはわたしの主人エサウにこう言いなさい、『あなたのしもべヤコブはこう言いました。わたしはラバンのもとに寄留して今までとどまりました。 5 わたしは牛、ろば、羊、男女の奴隷を持っています。それでわが主に申し上げて、あなたの前に恵みを得ようと人をつかわしたのです』」。 6 使者はヤコブのもとに帰って言った、「わたしたちはあなたの兄エサウのもとへ行きました。彼もまたあなたを迎えようと四百人を率いてきます」。 7 そこでヤコブは大いに恐れ、苦しみ、共にいる民および羊、牛、らくだを二つの組に分けて、 8 言った、「たとい、エサウがきて、一つの組を撃っても、残りの組はのがれるであろう」。 9 ヤコブはまた言った、「父アブラハムの神、父イサクの神よ、かつてわたしに『おまえの国へ帰り、おまえの親族に行け。わたしはおまえを恵もう』と言われた主よ、 10 あなたがしもべに施されたすべての恵みとまことをわたしは受けるに足りない者です。わたしは、つえのほか何も持たないでこのヨルダンを渡りましたが、今は二つの組にもなりました。 11 どうぞ、兄エサウの手からわたしをお救いください。わたしは彼がきて、わたしを撃ち、母や子供たちにまで及ぶのを恐れます。 12 あなたは、かつて、『わたしは必ずおまえを恵み、おまえの子孫を海の砂の数えがたいほど多くしよう』と言われました」。 13 彼はその夜そこに宿り、持ち物のうちから兄エサウへの贈り物を選んだ。 14 すなわち雌やぎ二百、雄やぎ二十、雌羊二百、雄羊二十、 15 乳らくだ三十とその子、雌牛四十、雄牛十、雌ろば二十、雄ろば十。 16 彼はこれらをそれぞれの群れに分けて、しもべたちの手にわたし、しもべたちに言った、「あなたがたはわたしの先に進みなさい、そして群れと群れとの間には隔たりをおきなさい」。 17 また先頭の者に命じて言った、「もし、兄エサウがあなたに会って『だれのしもべで、どこへ行くのか。あなたの前にあるこれらのものはだれの物か』と尋ねたら、 18 『あなたのしもべヤコブの物で、わが主エサウにおくる贈り物です。彼もわたしたちのうしろにおります』と言いなさい」。 19 彼は第二の者にも、第三の者にも、また群れ群れについて行くすべての者にも命じて言った、「あなたがたがエサウに会うときは、同じように彼に告げて、 20 『あなたのしもべヤコブもわれわれのうしろにおります』と言いなさい」。ヤコブは、「わたしがさきに送る贈り物をもってまず彼をなだめ、それから、彼の顔を見よう。そうすれば、彼はわたしを迎えてくれるであろう」と思ったからである。 21 こうして贈り物は彼に先立って渡り、彼はその夜、宿営にやどった。 22 彼はその夜起きて、ふたりの妻とふたりのつかえめと十一人の子どもとを連れてヤボクの渡しをわたった。 23 すなわち彼らを導いて川を渡らせ、また彼の持ち物を渡らせた。 24 ヤコブはひとりあとに残ったが、ひとりの人が、夜明けまで彼と組打ちした。 25 ところでその人はヤコブに勝てないのを見て、ヤコブのもものつがいにさわったので、ヤコブのもものつがいが、その人と組打ちするあいだにはずれた。 …

創世記 31

1 さてヤコブはラバンの子らが、「ヤコブはわれわれの父の物をことごとく奪い、父の物によってあのすべての富を獲たのだ」と言っているのを聞いた。 2 またヤコブがラバンの顔を見るのに、それは自分に対して以前のようではなかった。 3 主はヤコブに言われた、「あなたの先祖の国へ帰り、親族のもとに行きなさい。わたしはあなたと共にいるであろう」。 4 そこでヤコブは人をやって、ラケルとレアとを、野にいる自分の群れのところに招き、 5 彼女らに言った、「わたしがあなたがたの父の顔を見るのに、わたしに対して以前のようではない。しかし、わたしの父の神はわたしと共におられる。 6 あなたがたが知っているように、わたしは力のかぎり、あなたがたの父に仕えてきた。 7 しかし、あなたがたの父はわたしを欺いて、十度もわたしの報酬を変えた。けれども神は彼がわたしに害を加えることをお許しにならなかった。 8 もし彼が、『ぶちのものはあなたの報酬だ』と言えば、群れは皆ぶちのものを産んだ。もし彼が、『しまのあるものはあなたの報酬だ』と言えば、群れは皆しまのあるものを産んだ。 9 こうして神はあなたがたの父の家畜をとってわたしに与えられた。 10 また群れが発情した時、わたしが夢に目をあげて見ると、群れの上に乗っている雄やぎは皆しまのあるもの、ぶちのもの、霜ふりのものであった。 11 その時、神の使が夢の中でわたしに言った、『ヤコブよ』。わたしは答えた、『ここにおります』。 12 神の使は言った、『目を上げて見てごらん。群れの上に乗っている雄やぎは皆しまのあるもの、ぶちのもの、霜ふりのものです。わたしはラバンがあなたにしたことをみな見ています。 13 わたしはベテルの神です。かつてあなたはあそこで柱に油を注いで、わたしに誓いを立てましたが、いま立ってこの地を出て、あなたの生れた国へ帰りなさい』」。 14 ラケルとレアは答えて言った、「わたしたちの父の家に、なおわたしたちの受くべき分、また嗣業がありましょうか。 15 わたしたちは父に他人のように思われているではありませんか。彼はわたしたちを売ったばかりでなく、わたしたちのその金をさえ使い果たしたのです。 16 神がわたしたちの父から取りあげられた富は、みなわたしたちとわたしたちの子どものものです。だから何事でも神があなたにお告げになった事をしてください」。 17 そこでヤコブは立って、子らと妻たちをらくだに乗せ、 18 またすべての家畜、すなわち彼がパダンアラムで獲た家畜と、すべての財産を携えて、カナンの地におる父イサクのもとへ赴いた。 19 その時ラバンは羊の毛を切るために出ていたので、ラケルは父の所有のテラピムを盗み出した。 20 またヤコブはアラムびとラバンを欺き、自分の逃げ去るのを彼に告げなかった。 21 こうして彼はすべての持ち物を携えて逃げ、立って川を渡り、ギレアデの山地へ向かった。 22 三日目になって、ヤコブの逃げ去ったことが、ラバンに聞えたので、 23 彼は一族を率いて、七日の間そのあとを追い、ギレアデの山地で追いついた。 24 しかし、神は夜の夢にアラムびとラバンに現れて言われた、「あなたは心してヤコブに、よしあしを言ってはなりません」。 25 ラバンはついにヤコブに追いついたが、ヤコブが山に天幕を張っていたので、ラバンも一族と共にギレアデの山に天幕を張った。 …

創世記 30

1 ラケルは自分がヤコブに子を産まないのを知った時、姉をねたんでヤコブに言った、「わたしに子どもをください。さもないと、わたしは死にます」。 2 ヤコブはラケルに向かい怒って言った、「あなたの胎に子どもをやどらせないのは神です。わたしが神に代ることができようか」。 3 ラケルは言った、「わたしのつかえめビルハがいます。彼女の所におはいりなさい。彼女が子を産んで、わたしのひざに置きます。そうすれば、わたしもまた彼女によって子を持つでしょう」。 4 ラケルはつかえめビルハを彼に与えて、妻とさせたので、ヤコブは彼女の所にはいった。 5 ビルハは、みごもってヤコブに子を産んだ。 6 そこでラケルは、「神はわたしの訴えに答え、またわたしの声を聞いて、わたしに子を賜わった」と言って、名をダンと名づけた。 7 ラケルのつかえめビルハはまた、みごもって第二の子をヤコブに産んだ。 8 そこでラケルは、「わたしは激しい争いで、姉と争って勝った」と言って、名をナフタリと名づけた。 9 さてレアは自分が子を産むことのやんだのを見たとき、つかえめジルパを取り、妻としてヤコブに与えた。 10 レアのつかえめジルパはヤコブに子を産んだ。 11 そこでレアは、「幸運がきた」と言って、名をガドと名づけた。 12 レアのつかえめジルパは第二の子をヤコブに産んだ。 13 そこでレアは、「わたしは、しあわせです。娘たちはわたしをしあわせな者と言うでしょう」と言って、名をアセルと名づけた。 14 さてルベンは麦刈りの日に野に出て、野で恋なすびを見つけ、それを母レアのもとに持ってきた。ラケルはレアに言った、「あなたの子の恋なすびをどうぞわたしにください」。 15 レアはラケルに言った、「あなたがわたしの夫を取ったのは小さな事でしょうか。その上、あなたはまたわたしの子の恋なすびをも取ろうとするのですか」。ラケルは言った、「それではあなたの子の恋なすびに換えて、今夜彼をあなたと共に寝させましょう」。 16 夕方になって、ヤコブが野から帰ってきたので、レアは彼を出迎えて言った、「わたしの子の恋なすびをもって、わたしがあなたを雇ったのですから、あなたはわたしの所に、はいらなければなりません」。ヤコブはその夜レアと共に寝た。 17 神はレアの願いを聞かれたので、彼女はみごもって五番目の子をヤコブに産んだ。 18 そこでレアは、「わたしがつかえめを夫に与えたから、神がわたしにその価を賜わったのです」と言って、名をイッサカルと名づけた。 19 レアはまた、みごもって六番目の子をヤコブに産んだ。 20 そこでレアは、「神はわたしに良い賜物をたまわった。わたしは六人の子を夫に産んだから、今こそ彼はわたしと一緒に住むでしょう」と言って、その名をゼブルンと名づけた。 21 その後、彼女はひとりの娘を産んで、名をデナと名づけた。 22 次に神はラケルを心にとめられ、彼女の願いを聞き、その胎を開かれたので、 23 彼女は、みごもって男の子を産み、「神はわたしの恥をすすいでくださった」と言って、 24 名をヨセフと名づけ、「主がわたしに、なおひとりの子を加えられるように」と言った。 25 ラケルがヨセフを産んだ時、ヤコブはラバンに言った、「わたしを去らせて、わたしの故郷、わたしの国へ行かせてください。 …

創世記 29

1 ヤコブはその旅を続けて東の民の地へ行った。 2 見ると野に一つの井戸があって、そのかたわらに羊の三つの群れが伏していた。人々はその井戸から群れに水を飲ませるのであったが、井戸の口には大きな石があった。 3 群れが皆そこに集まると、人々は井戸の口から石をころがして羊に水を飲ませ、その石をまた井戸の口の元のところに返しておくのである。 4 ヤコブは人々に言った、「兄弟たちよ、あなたがたはどこからこられたのですか」。彼らは言った、「わたしたちはハランからです」。 5 ヤコブは彼らに言った、「あなたがたはナホルの子ラバンを知っていますか」。彼らは言った、「知っています」。 6 ヤコブはまた彼らに言った、「彼は無事ですか」。彼らは言った、「無事です。御覧なさい。彼の娘ラケルはいま羊と一緒にここへきます」。 7 ヤコブは言った、「日はまだ高いし、家畜を集める時でもない。あなたがたは羊に水を飲ませてから、また行って飼いなさい」。 8 彼らは言った、「わたしたちはそれはできないのです。群れがみな集まった上で、井戸の口から石をころがし、それから羊に水を飲ませるのです」。 9 ヤコブがなお彼らと語っている時に、ラケルは父の羊と一緒にきた。彼女は羊を飼っていたからである。 10 ヤコブは母の兄ラバンの娘ラケルと母の兄ラバンの羊とを見た。そしてヤコブは進み寄って井戸の口から石をころがし、母の兄ラバンの羊に水を飲ませた。 11 ヤコブはラケルに口づけし、声をあげて泣いた。 12 ヤコブはラケルに、自分がラケルの父のおいであり、リベカの子であることを告げたので、彼女は走って行って父に話した。 13 ラバンは妹の子ヤコブがきたという知らせを聞くとすぐ、走って行ってヤコブを迎え、これを抱いて口づけし、家に連れてきた。そこでヤコブはすべての事をラバンに話した。 14 ラバンは彼に言った、「あなたはほんとうにわたしの骨肉です」。ヤコブは一か月の間彼と共にいた。 15 時にラバンはヤコブに言った、「あなたはわたしのおいだからといって、ただでわたしのために働くこともないでしょう。どんな報酬を望みますか、わたしに言ってください」。 16 さてラバンにはふたりの娘があった。姉の名はレアといい、妹の名はラケルといった。 17 レアは目が弱かったが、ラケルは美しくて愛らしかった。 18 ヤコブはラケルを愛したので、「わたしは、あなたの妹娘ラケルのために七年あなたに仕えましょう」と言った。 19 ラバンは言った、「彼女を他人にやるよりもあなたにやる方がよい。わたしと一緒にいなさい」。 20 こうして、ヤコブは七年の間ラケルのために働いたが、彼女を愛したので、ただ数日のように思われた。 21 ヤコブはラバンに言った、「期日が満ちたから、わたしの妻を与えて、妻の所にはいらせてください」。 22 そこでラバンはその所の人々をみな集めて、ふるまいを設けた。 23 夕暮となったとき、娘レアをヤコブのもとに連れてきたので、ヤコブは彼女の所にはいった。 24 ラバンはまた自分のつかえめジルパを娘レアにつかえめとして与えた。 25 朝になって、見ると、それはレアであったので、ヤコブはラバンに言った、「あなたはどうしてこんな事をわたしにされたのですか。わたしはラケルのために働いたのではありませんか。どうしてあなたはわたしを欺いたのですか」。 …

創世記 28

1 イサクはヤコブを呼んで、これを祝福し、命じて言った、「あなたはカナンの娘を妻にめとってはならない。 2 立ってパダンアラムへ行き、あなたの母の父ベトエルの家に行って、そこであなたの母の兄ラバンの娘を妻にめとりなさい。 3 全能の神が、あなたを祝福し、多くの子を得させ、かつふえさせて、多くの国民とし、 4 またアブラハムの祝福をあなたと子孫とに与えて、神がアブラハムに授けられたあなたの寄留の地を継がせてくださるように」。 5 こうしてイサクはヤコブを送り出した。ヤコブはパダンアラムに向かい、アラムびとベトエルの子で、ヤコブとエサウとの母リベカの兄ラバンのもとへ行った。 6 さてエサウは、イサクがヤコブを祝福して、パダンアラムにつかわし、そこから妻をめとらせようとしたこと、彼を祝福し、命じて「あなたはカナンの娘を妻にめとってはならない」と言ったこと、 7 そしてヤコブが父母の言葉に従って、パダンアラムへ行ったことを知ったとき、 8 彼はカナンの娘が父イサクの心にかなわないのを見た。 9 そこでエサウはイシマエルの所に行き、すでにある妻たちのほかにアブラハムの子イシマエルの娘で、ネバヨテの妹マハラテを妻にめとった。 10 さてヤコブはベエルシバを立って、ハランへ向かったが、 11 一つの所に着いた時、日が暮れたので、そこに一夜を過ごし、その所の石を取ってまくらとし、そこに伏して寝た。 12 時に彼は夢をみた。一つのはしごが地の上に立っていて、その頂は天に達し、神の使たちがそれを上り下りしているのを見た。 13 そして主は彼のそばに立って言われた、「わたしはあなたの父アブラハムの神、イサクの神、主である。あなたが伏している地を、あなたと子孫とに与えよう。 14 あなたの子孫は地のちりのように多くなって、西、東、北、南にひろがり、地の諸族はあなたと子孫とによって祝福をうけるであろう。 15 わたしはあなたと共にいて、あなたがどこへ行くにもあなたを守り、あなたをこの地に連れ帰るであろう。わたしは決してあなたを捨てず、あなたに語った事を行うであろう」。 16 ヤコブは眠りからさめて言った、「まことに主がこの所におられるのに、わたしは知らなかった」。 17 そして彼は恐れて言った、「これはなんという恐るべき所だろう。これは神の家である。これは天の門だ」。 18 ヤコブは朝はやく起きて、まくらとしていた石を取り、それを立てて柱とし、その頂に油を注いで、 19 その所の名をベテルと名づけた。その町の名は初めはルズといった。 20 ヤコブは誓いを立てて言った、「神がわたしと共にいまし、わたしの行くこの道でわたしを守り、食べるパンと着る着物を賜い、 21 安らかに父の家に帰らせてくださるなら、主をわたしの神といたしましょう。 22 またわたしが柱に立てたこの石を神の家といたしましょう。そしてあなたがくださるすべての物の十分の一を、わたしは必ずあなたにささげます」。

創世記 27

1 イサクは年老い、目がかすんで見えなくなった時、長子エサウを呼んで言った、「子よ」。彼は答えて言った、「ここにおります」。 2 イサクは言った。「わたしは年老いて、いつ死ぬかも知れない。 3 それであなたの武器、弓矢をもって野に出かけ、わたしのために、しかの肉をとってきて、 4 わたしの好きなおいしい食べ物を作り、持ってきて食べさせよ。わたしは死ぬ前にあなたを祝福しよう」。 5 イサクがその子エサウに語るのをリベカは聞いていた。やがてエサウが、しかの肉を獲ようと野に出かけたとき、 6 リベカはその子ヤコブに言った、「わたしは聞いていましたが、父は兄エサウに、 7 『わたしのために、しかの肉をとってきて、おいしい食べ物を作り、わたしに食べさせよ。わたしは死ぬ前に、主の前であなたを祝福しよう』と言いました。 8 それで、子よ、わたしの言葉にしたがい、わたしの言うとおりにしなさい。 9 群れの所へ行って、そこからやぎの子の良いのを二頭わたしの所に取ってきなさい。わたしはそれで父のために、父の好きなおいしい食べ物を作りましょう。 10 あなたはそれを持って行って父に食べさせなさい。父は死ぬ前にあなたを祝福するでしょう」。 11 ヤコブは母リベカに言った、「兄エサウは毛深い人ですが、わたしはなめらかです。 12 おそらく父はわたしにさわってみるでしょう。そうすればわたしは父を欺く者と思われ、祝福を受けず、かえってのろいを受けるでしょう」。 13 母は彼に言った、「子よ、あなたがうけるのろいはわたしが受けます。ただ、わたしの言葉に従い、行って取ってきなさい」。 14 そこで彼は行ってやぎの子を取り、母の所に持ってきたので、母は父の好きなおいしい食べ物を作った。 15 リベカは家にあった長子エサウの晴着を取って、弟ヤコブに着せ、 16 また子やぎの皮を手と首のなめらかな所とにつけさせ、 17 彼女が作ったおいしい食べ物とパンとをその子ヤコブの手にわたした。 18 そこでヤコブは父の所へ行って言った、「父よ」。すると父は言った、「わたしはここにいる。子よ、あなたはだれか」。 19 ヤコブは父に言った、「長子エサウです。あなたがわたしに言われたとおりにいたしました。どうぞ起きて、すわってわたしのしかの肉を食べ、あなたみずからわたしを祝福してください」。 20 イサクはその子に言った、「子よ、どうしてあなたはこんなに早く手に入れたのか」。彼は言った、「あなたの神、主がわたしにしあわせを授けられたからです」。 21 イサクはヤコブに言った、「子よ、近寄りなさい。わたしは、さわってみて、あなたが確かにわが子エサウであるかどうかをみよう」。 22 ヤコブが、父イサクに近寄ったので、イサクは彼にさわってみて言った、「声はヤコブの声だが、手はエサウの手だ」。 23 ヤコブの手が兄エサウの手のように毛深かったため、イサクはヤコブを見わけることができなかったので、彼を祝福した。 24 イサクは言った、「あなたは確かにわが子エサウですか」。彼は言った、「そうです」。 25 イサクは言った、「わたしの所へ持ってきなさい。わが子のしかの肉を食べて、わたしみずから、あなたを祝福しよう」。ヤコブがそれを彼の所に持ってきたので、彼は食べた。またぶどう酒を持ってきたので、彼は飲んだ。 …

創世記 26

1 アブラハムの時にあった初めのききんのほか、またききんがその国にあったので、イサクはゲラルにいるペリシテびとの王アビメレクの所へ行った。 2 その時、主は彼に現れて言われた、「エジプトへ下ってはならない。わたしがあなたに示す地にとどまりなさい。 3 あなたがこの地にとどまるなら、わたしはあなたと共にいて、あなたを祝福し、これらの国をことごとくあなたと、あなたの子孫とに与え、わたしがあなたの父アブラハムに誓った誓いを果そう。 4 またわたしはあなたの子孫を増して天の星のようにし、あなたの子孫にこれらの地をみな与えよう。そして地のすべての国民はあなたの子孫によって祝福をえるであろう。 5 アブラハムがわたしの言葉にしたがってわたしのさとしと、いましめと、さだめと、おきてとを守ったからである」。 6 こうしてイサクはゲラルに住んだ。 7 その所の人々が彼の妻のことを尋ねたとき、「彼女はわたしの妹です」と彼は言った。リベカは美しかったので、その所の人々がリベカのゆえに自分を殺すかもしれないと思って、「わたしの妻です」と言うのを恐れたからである。 8 イサクは長らくそこにいたが、ある日ペリシテびとの王アビメレクは窓から外をながめていて、イサクがその妻リベカと戯れているのを見た。 9 そこでアビメレクはイサクを召して言った、「彼女は確かにあなたの妻です。あなたはどうして『彼女はわたしの妹です』と言われたのですか」。イサクは彼に言った、「わたしは彼女のゆえに殺されるかもしれないと思ったからです」。 10 アビメレクは言った、「あなたはどうしてこんな事をわれわれにされたのですか。民のひとりが軽々しくあなたの妻と寝るような事があれば、その時あなたはわれわれに罪を負わせるでしょう」。 11 それでアビメレクはすべての民に命じて言った、「この人、またはその妻にさわる者は必ず死ななければならない」。 12 イサクはその地に種をまいて、その年に百倍の収穫を得た。このように主が彼を祝福されたので、 13 彼は富み、またますます栄えて非常に裕福になり、 14 羊の群れ、牛の群れ及び多くのしもべを持つようになったので、ペリシテびとは彼をねたんだ。 15 またペリシテびとは彼の父アブラハムの時に、父のしもべたちが掘ったすべての井戸をふさぎ、土で埋めた。 16 アビメレクはイサクに言った、「あなたはわれわれよりも、はるかに強くなられたから、われわれの所を去ってください」。 17 イサクはそこを去り、ゲラルの谷に天幕を張ってその所に住んだ。 18 そしてイサクは父アブラハムの時に人々の掘った水の井戸を再び掘った。アブラハムの死後、ペリシテびとがふさいだからである。イサクは父がつけた名にしたがってそれらに名をつけた。 19 しかしイサクのしもべたちが谷の中を掘って、そこにわき出る水の井戸を見つけたとき、 20 ゲラルの羊飼たちは、「この水はわれわれのものだ」と言って、イサクの羊飼たちと争ったので、イサクはその井戸の名をエセクと名づけた。彼らが彼と争ったからである。 21 彼らはまた一つの井戸を掘ったが、これをも争ったので、名をシテナと名づけた。 22 イサクはそこから移ってまた一つの井戸を掘ったが、彼らはこれを争わなかったので、その名をレホボテと名づけて言った、「いま主がわれわれの場所を広げられたから、われわれはこの地にふえるであろう」。 23 彼はそこからベエルシバに上った。 24 その夜、主は彼に現れて言われた、「わたしはあなたの父アブラハムの神である。あなたは恐れてはならない。わたしはあなたと共におって、あなたを祝福し、わたしのしもべアブラハムのゆえにあなたの子孫を増すであろう」。 25 それで彼はその所に祭壇を築いて、主の名を呼び、そこに天幕を張った。またイサクのしもべたちはそこに一つの井戸を掘った。 …

創世記 25

1 アブラハムは再び妻をめとった。名をケトラという。 2 彼女はジムラン、ヨクシャン、メダン、ミデアン、イシバクおよびシュワを産んだ。 3 ヨクシャンの子はシバとデダン。デダンの子孫はアシュリびと、レトシびと、レウミびとである。 4 ミデアンの子孫はエパ、エペル、ヘノク、アビダ、エルダアであって、これらは皆ケトラの子孫であった。 5 アブラハムはその所有をことごとくイサクに与えた。 6 またそのそばめたちの子らにもアブラハムは物を与え、なお生きている間に彼らをその子イサクから離して、東の方、東の国に移らせた。 7 アブラハムの生きながらえた年は百七十五年である。 8 アブラハムは高齢に達し、老人となり、年が満ちて息絶え、死んでその民に加えられた。 9 その子イサクとイシマエルは彼をヘテびとゾハルの子エフロンの畑にあるマクペラのほら穴に葬った。これはマムレの向かいにあり、 10 アブラハムがヘテの人々から、買い取った畑であって、そこにアブラハムとその妻サラが葬られた。 11 アブラハムが死んだ後、神はその子イサクを祝福された。イサクはベエル・ラハイ・ロイのほとりに住んだ。 12 サラのつかえめエジプトびとハガルがアブラハムに産んだアブラハムの子イシマエルの系図は次のとおりである。 13 イシマエルの子らの名を世代にしたがって、その名をいえば次のとおりである。すなわちイシマエルの長子はネバヨテ、次はケダル、アデビエル、ミブサム、 14 ミシマ、ドマ、マッサ、 15 ハダデ、テマ、エトル、ネフシ、ケデマ。 16 これはイシマエルの子らであり、村と宿営とによる名であって、その氏族による十二人の君たちである。 17 イシマエルのよわいは百三十七年である。彼は息絶えて死に、その民に加えられた。 18 イシマエルの子らはハビラからエジプトの東、シュルまでの間に住んで、アシュルに及んだ。イシマエルはすべての兄弟の東に住んだ。 19 アブラハムの子イサクの系図は次のとおりである。アブラハムの子はイサクであって、 20 イサクは四十歳の時、パダンアラムのアラムびとベトエルの娘で、アラムびとラバンの妹リベカを妻にめとった。 21 イサクは妻が子を産まなかったので、妻のために主に祈り願った。主はその願いを聞かれ、妻リベカはみごもった。 22 ところがその子らが胎内で押し合ったので、リベカは言った、「こんなことでは、わたしはどうなるでしょう」。彼女は行って主に尋ねた。 23 35 Gen.25.23 24 彼女の出産の日がきたとき、胎内にはふたごがあった。 25 …