サムエル記下 22

1 ダビデは主がもろもろの敵の手とサウルの手から、自分を救い出された日に、この歌の言葉を主に向かって述べ、 2 52 2Sam.22.2 3 53 2Sam.22.3 4 54 2Sam.22.4 5 55 2Sam.22.5 6 56 2Sam.22.6 7 57 2Sam.22.7 8 58 2Sam.22.8 9 59 2Sam.22.9 10 60 2Sam.22.10 11 61 2Sam.22.11 12 62 2Sam.22.12 13 63 2Sam.22.13 14 64 2Sam.22.14 15 65 2Sam.22.15 16 66 2Sam.22.16 17 67 2Sam.22.17 …

サムエル記下 7

1 さて、王が自分の家に住み、また主が周囲の敵をことごとく打ち退けて彼に安息を賜わった時、 2 王は預言者ナタンに言った、「見よ、今わたしは、香柏の家に住んでいるが、神の箱はなお幕屋のうちにある」。 3 ナタンは王に言った、「主があなたと共におられますから、行って、すべてあなたの心にあるところを行いなさい」。 4 その夜、主の言葉がナタンに臨んで言った、 5 「行って、わたしのしもべダビデに言いなさい、『主はこう仰せられる。あなたはわたしの住む家を建てようとするのか。 6 わたしはイスラエルの人々をエジプトから導き出した日から今日まで、家に住まわず、天幕をすまいとして歩んできた。 7 わたしがイスラエルのすべての人々と共に歩んだすべての所で、わたしがわたしの民イスラエルを牧することを命じたイスラエルのさばきづかさのひとりに、ひと言でも「どうしてあなたがたはわたしのために香柏の家を建てないのか」と、言ったことがあるであろうか』。 8 それゆえ、今あなたは、わたしのしもべダビデにこう言いなさい、『万軍の主はこう仰せられる。わたしはあなたを牧場から、羊に従っている所から取って、わたしの民イスラエルの君とし、 9 あなたがどこへ行くにも、あなたと共におり、あなたのすべての敵をあなたの前から断ち去った。わたしはまた地上の大いなる者の名のような大いなる名をあなたに得させよう。 10 そしてわたしの民イスラエルのために一つの所を定めて、彼らを植えつけ、彼らを自分の所に住ませ、重ねて動くことのないようにするであろう。 11 また前のように、わたしがわたしの民イスラエルの上にさばきづかさを立てた日からこのかたのように、悪人が重ねてこれを悩ますことはない。わたしはあなたのもろもろの敵を打ち退けて、あなたに安息を与えるであろう。主はまた「あなたのために家を造る」と仰せられる。 12 あなたが日が満ちて、先祖たちと共に眠る時、わたしはあなたの身から出る子を、あなたのあとに立てて、その王国を堅くするであろう。 13 彼はわたしの名のために家を建てる。わたしは長くその国の位を堅くしよう。 14 わたしは彼の父となり、彼はわたしの子となるであろう。もし彼が罪を犯すならば、わたしは人のつえと人の子のむちをもって彼を懲らす。 15 しかしわたしはわたしのいつくしみを、わたしがあなたの前から除いたサウルから取り去ったように、彼からは取り去らない。 16 あなたの家と王国はわたしの前に長く保つであろう。あなたの位は長く堅うせられる』」。 17 ナタンはすべてこれらの言葉のように、またすべてこの幻のようにダビデに語った。 18 その時ダビデ王は、はいって主の前に座して言った、「主なる神よ、わたしがだれ、わたしの家が何であるので、あなたはこれまでわたしを導かれたのですか。 19 主なる神よ、これはなおあなたの目には小さい事です。主なる神よ、あなたはまたしもべの家の、はるか後の事を語って、きたるべき代々のことを示されました。 20 ダビデはこの上なにをあなたに申しあげることができましょう。主なる神よ、あなたはしもべを知っておられるのです。 21 あなたの約束のゆえに、またあなたの心に従って、あなたはこのもろもろの大いなる事を行い、しもべにそれを知らせられました。 22 主なる神よ、あなたは偉大です。それは、われわれがすべて耳に聞いたところによれば、あなたのような者はなく、またあなたのほかに神はないからです。 23 地のどの国民が、あなたの民イスラエルのようでありましょうか。これは神が行って、自分のためにあがなって民とし、自らの名をあげられたもの、また彼らのために大いなる恐るべきことをなし、その民の前から国びととその神々とを追い出されたものです。 24 そしてあなたの民イスラエルを永遠にあなたの民として、自分のために、定められました。主よ、あなたは彼らの神となられたのです。 25 主なる神よ、今あなたが、しもべとしもべの家とについて語られた言葉を長く堅うして、あなたの言われたとおりにしてください。 …

サムエル記下 23

1 40 2Sam.23.1 2 41 2Sam.23.2 3 42 2Sam.23.3 4 43 2Sam.23.4 5 44 2Sam.23.5 6 45 2Sam.23.6 7 46 2Sam.23.7 8 ダビデの勇士たちの名は次のとおりである。タクモンびとヨセブ・バッセベテはかの三人のうちの長であったが、彼はいちじに八百人に向かって、やりをふるい、それを殺した。 9 彼の次はアホアびとドドの子エレアザルであって、三勇士のひとりである。彼は、戦おうとしてそこに集まったペリシテびとに向かって戦いをいどみ、イスラエルの人々が退いた時、ダビデと共にいたが、 10 立ってペリシテびとを撃ち、ついに手が疲れ、手がつるぎに着いて離れないほどになった。その日、主は大いなる勝利を与えられた。民は彼のあとに帰ってきて、ただ殺された者をはぎ取るばかりであった。 11 彼の次はハラルびとアゲの子シャンマであった。ある時、ペリシテびとはレヒに集まった。そこに一面にレンズ豆を作った地所があった。民はペリシテびとの前から逃げたが、 12 彼はその地所の中に立って、これを防ぎ、ペリシテびとを殺した。そして主は大いなる救を与えられた。 13 三十人の長たちのうちの三人は下って行って刈入れのころに、アドラムのほら穴にいるダビデのもとにきた。時にペリシテびとの一隊はレパイムの谷に陣を取っていた。 14 その時ダビデは要害におり、ペリシテびとの先陣はベツレヘムにあったが、 15 ダビデは、せつに望んで、「だれかベツレヘムの門のかたわらにある井戸の水をわたしに飲ませてくれるとよいのだが」と言った。 16 そこでその三人の勇士たちはペリシテびとの陣を突き通って、ベツレヘムの門のかたわらにある井戸の水を汲み取って、ダビデのもとに携えてきた。しかしダビデはそれを飲もうとはせず、主の前にそれを注いで、 17 言った、「主よ、わたしは断じて飲むことをいたしません。いのちをかけて行った人々の血を、どうしてわたしは飲むことができましょう」。こうして彼はそれを飲もうとはしなかった。三勇士はこれらのことを行った。 18 ゼルヤの子ヨアブの兄弟アビシャイは三十人の長であった。彼は三百人に向かって、やりをふるい、それを殺した。そして、彼は三人と共に名を得た。 19 彼は三十人のうち最も尊ばれた者で、彼らの長となった。しかし、かの三人には及ばなかった。 20 エホヤダの子ベナヤはカブジエル出身の勇士であって、多くのてがらを立てた。彼はモアブのアリエルのふたりの子を撃ち殺した。彼はまた雪の日に下っていって、穴の中でししを撃ち殺した。 21 彼はまた姿のうるわしいエジプトびとを撃ち殺した。そのエジプトびとは手にやりを持っていたが、ベナヤはつえをとってその所に下っていき、エジプトびとの手からやりをもぎとって、そのやりをもって殺した。 22 …

サムエル記下 8

1 この後ダビデはペリシテびとを撃って、これを征服した。ダビデはまたペリシテびとの手からメテグ・アンマを取った。 2 彼はまたモアブを撃ち、彼らを地に伏させ、なわをもって彼らを測った。すなわち二筋のなわをもって殺すべき者を測り、一筋のなわをもって生かしておく者を測った。そしてモアブびとは、ダビデのしもべとなって、みつぎを納めた。 3 ダビデはまたレホブの子であるゾバの王ハダデゼルが、ユフラテ川のほとりにその勢力を回復しようとして行くところを撃った。 4 そしてダビデは彼から騎兵千七百人、歩兵二万人を取った。ダビデはまた一百の戦車の馬を残して、そのほかの戦車の馬はみなその足の筋を切った。 5 ダマスコのスリヤびとが、ゾバの王ハダデゼルを助けるためにきたので、ダビデはスリヤびと二万二千人を殺した。 6 そしてダビデはダマスコのスリヤに守備隊を置いた。スリヤびとは、ダビデのしもべとなって、みつぎを納めた。主はダビデにすべてその行く所で勝利を与えられた。 7 ダビデはハダデゼルのしもべらが持っていた金の盾を奪って、エルサレムに持ってきた。 8 ダビデ王はまたハダデゼルの町、ベタとベロタイから、ひじょうに多くの青銅を取った。 9 時にハマテの王トイは、ダビデがハダデゼルのすべての軍勢を撃ち破ったことを聞き、 10 その子ヨラムをダビデ王のもとにつかわして、彼にあいさつし、かつ祝を述べさせた。ハダデゼルはかつてしばしばトイと戦いを交えたが、ダビデがハダデゼルと戦ってこれを撃ち破ったからである。ヨラムが銀の器と金の器と青銅の器を携えてきたので、 11 ダビデ王は征服したすべての国民から取ってささげた金銀と共にこれらをも主にささげた。 12 すなわちエドム、モアブ、アンモンの人々、ペリシテびと、アマレクから獲た物、およびゾバの王レホブの子ハダデゼルから獲たぶんどり物と共にこれをささげた。 13 こうしてダビデは名声を得た。彼は帰ってきてから塩の谷でエドムびと一万八千人を撃ち殺した。 14 そしてエドムに守備隊を置いた。すなわちエドムの全地に守備隊を置き、エドムびとは皆ダビデのしもべとなった。主はダビデにすべてその行く所で勝利を与えられた。 15 こうしてダビデはイスラエルの全地を治め、そのすべての民に正義と公平を行った。 16 ゼルヤの子ヨアブは軍の長、アヒルデの子ヨシャパテは史官、 17 アヒトブの子ザドクとアビヤタルの子アヒメレクは祭司、セラヤは書記官、 18 エホヤダの子ベナヤはケレテびととペレテびとの長、ダビデの子たちは祭司であった。

サムエル記下 9

1 時にダビデは言った、「サウルの家の人で、なお残っている者があるか。わたしはヨナタンのために、その人に恵みを施そう」。 2 さて、サウルの家にヂバという名のしもべがあったが、人々が彼をダビデのもとに呼び寄せたので、王は彼に言った、「あなたがヂバか」。彼は言った、「しもべがそうです」。 3 王は言った、「サウルの家の人がまだ残っていませんか。わたしはその人に神の恵みを施そうと思う」。ヂバは王に言った、「ヨナタンの子がまだおります。あしなえです」。 4 王は彼に言った、「その人はどこにいるのか」。ヂバは王に言った、「彼はロ・デバルのアンミエルの子マキルの家におります」。 5 ダビデ王は人をつかわして、ロ・デバルのアンミエルの子マキルの家から、彼を連れてこさせた。 6 サウルの子ヨナタンの子であるメピボセテはダビデのもとにきて、ひれ伏して拝した。ダビデが、「メピボセテよ」と言ったので、彼は、「しもべは、ここにおります」と答えた。 7 ダビデは彼に言った、「恐れることはない。わたしはかならずあなたの父ヨナタンのためにあなたに恵みを施しましょう。あなたの父サウルの地をみなあなたに返します。またあなたは常にわたしの食卓で食事をしなさい」。 8 彼は拝して言った、「あなたは、しもべを何とおぼしめして、死んだ犬のようなわたしを顧みられるのですか」。 9 王はサウルのしもべヂバを呼んで言った、「すべてサウルとその家に属する物を皆、わたしはあなたの主人の子に与えた。 10 あなたと、あなたの子たちと、しもべたちとは、彼のために地を耕して、あなたの主人の子が食べる食物を取り入れなければならない。しかしあなたの主人の子メピボセテはいつもわたしの食卓で食事をするであろう」。ヂバには十五人の男の子と二十人のしもべがあった。 11 ヂバは王に言った、「すべて王わが主君がしもべに命じられるとおりに、しもべはいたしましょう」。こうしてメピボセテは王の子のひとりのようにダビデの食卓で食事をした。 12 メピボセテには小さい子があって、名をミカといった。そしてヂバの家に住んでいる者はみなメピボセテのしもべとなった。 13 メピボセテはエルサレムに住んだ。彼がいつも王の食卓で食事をしたからである。彼は両足ともに、なえていた。

サムエル記下 10

1 この後アンモンの人々の王が死んで、その子ハヌンがこれに代って王となった。 2 そのときダビデは言った、「わたしはナハシの子ハヌンに、その父がわたしに恵みを施したように、恵みを施そう」。そしてダビデは彼を、その父のゆえに慰めようと、しもべをつかわした。ダビデのしもべたちはアンモンの人々の地に行ったが、 3 アンモンの人々のつかさたちはその主君ハヌンに言った、「ダビデが慰める者をあなたのもとにつかわしたのは彼があなたの父を尊ぶためだと思われますか。ダビデがあなたのもとに、しもべたちをつかわしたのは、この町をうかがい、それを探って、滅ぼすためではありませんか」。 4 そこでハヌンはダビデのしもべたちを捕え、おのおの、ひげの半ばをそり落し、その着物を中ほどから断ち切り腰の所までにして、彼らを帰らせた。 5 人々がこれをダビデに告げたので、ダビデは人をつかわして彼らを迎えさせた。その人々はひじょうに恥じたからである。そこで王は言った、「ひげがのびるまでエリコにとどまって、その後、帰りなさい」。 6 アンモンの人々は自分たちがダビデに憎まれていることがわかったので、人をつかわして、ベテ・レホブのスリヤびととゾバのスリヤびととの歩兵二万人およびマアカの王とその一千人、トブの人一万二千人を雇い入れた。 7 ダビデはそれを聞いて、ヨアブと勇士の全軍をつかわしたので、 8 アンモンの人々は出て、門の入口に戦いの備えをした。ゾバとレホブとのスリヤびと、およびトブとマアカの人々は別に野にいた。 9 ヨアブは戦いが前後から自分に迫ってくるのを見て、イスラエルのえり抜きの兵士のうちから選んで、これをスリヤびとに対して備え、 10 そのほかの民を自分の兄弟アビシャイの手にわたして、アンモンの人々に対して備えさせ、 11 そして言った、「もしスリヤびとがわたしに手ごわいときは、わたしを助けてください。もしアンモンの人々があなたに手ごわいときは、行ってあなたを助けましょう。 12 勇ましくしてください。われわれの民のため、われわれの神の町々のため、勇ましくしましょう。どうぞ主が良いと思われることをされるように」。 13 ヨアブが自分と一緒にいる民と共に、スリヤびとに向かって戦おうとして近づいたとき、スリヤびとは彼の前から逃げた。 14 アンモンの人々はスリヤびとが逃げるのを見て、彼らもまたアビシャイの前から逃げて町にはいった。そこでヨアブはアンモンの人々を撃つことをやめてエルサレムに帰った。 15 しかしスリヤびとは自分たちのイスラエルに打ち敗られたのを見て、共に集まった。 16 そしてハダデゼルは人をつかわし、ユフラテ川の向こう側にいるスリヤびとを率いてヘラムにこさせた。ハダデゼルの軍の長ショバクがこれを率いた。 17 この事がダビデに聞えたので、彼はイスラエルをことごとく集め、ヨルダンを渡ってヘラムにきた。スリヤびとはダビデに向かって備えをして彼と戦った。 18 しかしスリヤびとがイスラエルの前から逃げたので、ダビデはスリヤびとの戦車の兵七百、騎兵四万を殺し、またその軍の長ショバクを撃ったので、彼はその所で死んだ。 19 ハダデゼルの家来であった王たちはみな、自分たちがイスラエルに打ち敗られたのを見て、イスラエルと和を講じ、これに仕えた。こうしてスリヤびとは恐れて再びアンモンの人々を助けることをしなかった。

サムエル記下 11

1 春になって、王たちが戦いに出るに及んで、ダビデはヨアブおよび自分と共にいる家来たち、並びにイスラエルの全軍をつかわした。彼らはアンモンの人々を滅ぼし、ラバを包囲した。しかしダビデはエルサレムにとどまっていた。 2 さて、ある日の夕暮、ダビデは床から起き出て、王の家の屋上を歩いていたが、屋上から、ひとりの女がからだを洗っているのを見た。その女は非常に美しかった。 3 ダビデは人をつかわしてその女のことを探らせたが、ある人は言った、「これはエリアムの娘で、ヘテびとウリヤの妻バテシバではありませんか」。 4 そこでダビデは使者をつかわして、その女を連れてきた。女は彼の所にきて、彼はその女と寝た。(女は身の汚れを清めていたのである。)こうして女はその家に帰った。 5 女は妊娠したので、人をつかわしてダビデに告げて言った、「わたしは子をはらみました」。 6 そこでダビデはヨアブに、「ヘテびとウリヤをわたしの所につかわせ」と言ってやったので、ヨアブはウリヤをダビデの所につかわした。 7 ウリヤがダビデの所にきたので、ダビデは、ヨアブはどうしているか、民はどうしているか、戦いはうまくいっているかとたずねた。 8 そしてダビデはウリヤに言った、「あなたの家に行って、足を洗いなさい」。ウリヤは王の家を出ていったが、王の贈り物が彼の後に従った。 9 しかしウリヤは王の家の入口で主君の家来たちと共に寝て、自分の家に帰らなかった。 10 人々がダビデに、「ウリヤは自分の家に帰りませんでした」と告げたので、ダビデはウリヤに言った、「旅から帰ってきたのではないか。どうして家に帰らなかったのか」。 11 ウリヤはダビデに言った、「神の箱も、イスラエルも、ユダも、小屋の中に住み、わたしの主人ヨアブと、わが主君の家来たちが野のおもてに陣を取っているのに、わたしはどうして家に帰って食い飲みし、妻と寝ることができましょう。あなたは生きておられます。あなたの魂は生きています。わたしはこの事をいたしません」。 12 ダビデはウリヤに言った、「きょうも、ここにとどまりなさい。わたしはあす、あなたを去らせましょう」。そこでウリヤはその日と次の日エルサレムにとどまった。 13 ダビデは彼を招いて自分の前で食い飲みさせ、彼を酔わせた。夕暮になって彼は出ていって、その床に、主君の家来たちと共に寝た。そして自分の家には下って行かなかった。 14 朝になってダビデはヨアブにあてた手紙を書き、ウリヤの手に託してそれを送った。 15 彼はその手紙に、「あなたがたはウリヤを激しい戦いの最前線に出し、彼の後から退いて、彼を討死させよ」と書いた。 16 ヨアブは町を囲んでいたので、勇士たちがいると知っていた場所にウリヤを置いた。 17 町の人々が出てきてヨアブと戦ったので、民のうち、ダビデの家来たちにも、倒れるものがあり、ヘテびとウリヤも死んだ。 18 ヨアブは人をつかわして戦いのことをつぶさにダビデに告げた。 19 ヨアブはその使者に命じて言った、「あなたが戦いのことをつぶさに王に語り終ったとき、 20 もし王が怒りを起して、『あなたがたはなぜ戦おうとしてそんなに町に近づいたのか。彼らが城壁の上から射るのを知らなかったのか。 21 エルベセテの子アビメレクを撃ったのはだれか。ひとりの女が城壁の上から石うすの上石を投げて彼をテベツで殺したのではなかったか。あなたがたはなぜそんなに城壁に近づいたのか』と言われたならば、その時あなたは、『あなたのしもべ、ヘテびとウリヤもまた死にました』と言いなさい」。 22 こうして使者は行き、ダビデのもとにきて、ヨアブが言いつかわしたことをことごとく告げた。 23 使者はダビデに言った、「敵はわれわれよりも有利な位置を占め、出てきてわれわれを野で攻めましたが、われわれは町の入口まで彼らを追い返しました。 24 その時、射手どもは城壁からあなたの家来たちを射ましたので、王の家来のある者は死に、また、あなたの家来ヘテびとウリヤも死にました」。 25 ダビデは使者に言った、「あなたはヨアブにこう言いなさい、『この事で心配することはない。つるぎはこれをも彼をも同じく滅ぼすからである。強く町を攻めて戦い、それを攻め落しなさい』と。そしてヨアブを励ましなさい」。 …

サムエル記下 12

1 主はナタンをダビデにつかわされたので、彼はダビデの所にきて言った、「ある町にふたりの人があって、ひとりは富み、ひとりは貧しかった。 2 富んでいる人は非常に多くの羊と牛を持っていたが、 3 貧しい人は自分が買った一頭の小さい雌の小羊のほかは何も持っていなかった。彼がそれを育てたので、その小羊は彼および彼の子供たちと共に成長し、彼の食物を食べ、彼のわんから飲み、彼のふところで寝て、彼にとっては娘のようであった。 4 時に、ひとりの旅びとが、その富んでいる人のもとにきたが、自分の羊または牛のうちから一頭を取って、自分の所にきた旅びとのために調理することを惜しみ、その貧しい人の小羊を取って、これを自分の所にきた人のために調理した」。 5 ダビデはその人の事をひじょうに怒ってナタンに言った、「主は生きておられる。この事をしたその人は死ぬべきである。 6 かつその人はこの事をしたため、またあわれまなかったため、その小羊を四倍にして償わなければならない」。 7 ナタンはダビデに言った、「あなたがその人です。イスラエルの神、主はこう仰せられる、『わたしはあなたに油を注いでイスラエルの王とし、あなたをサウルの手から救いだし、 8 あなたに主人の家を与え、主人の妻たちをあなたのふところに与え、またイスラエルとユダの家をあなたに与えた。もし少なかったならば、わたしはもっと多くのものをあなたに増し加えたであろう。 9 どうしてあなたは主の言葉を軽んじ、その目の前に悪事をおこなったのですか。あなたはつるぎをもってヘテびとウリヤを殺し、その妻をとって自分の妻とした。すなわちアンモンの人々のつるぎをもって彼を殺した。 10 あなたがわたしを軽んじてヘテびとウリヤの妻をとり、自分の妻としたので、つるぎはいつまでもあなたの家を離れないであろう』。 11 主はこう仰せられる、『見よ、わたしはあなたの家からあなたの上に災を起すであろう。わたしはあなたの目の前であなたの妻たちを取って、隣びとに与えるであろう。その人はこの太陽の前で妻たちと一緒に寝るであろう。 12 あなたはひそかにそれをしたが、わたしは全イスラエルの前と、太陽の前にこの事をするのである』」。 13 ダビデはナタンに言った、「わたしは主に罪をおかしました」。ナタンはダビデに言った、「主もまたあなたの罪を除かれました。あなたは死ぬことはないでしょう。 14 しかしあなたはこの行いによって大いに主を侮ったので、あなたに生れる子供はかならず死ぬでしょう」。 15 32 2Sam.12.15 16 ダビデはその子のために神に嘆願した。すなわちダビデは断食して、へやにはいり終夜地に伏した。 17 ダビデの家の長老たちは、彼のかたわらに立って彼を地から起そうとしたが、彼は起きようとはせず、また彼らと一緒に食事をしなかった。 18 七日目にその子は死んだ。ダビデの家来たちはその子が死んだことをダビデに告げるのを恐れた。それは彼らが、「見よ、子のなお生きている間に、われわれが彼に語ったのに彼はその言葉を聞きいれなかった。どうして彼にその子の死んだことを告げることができようか。彼は自らを害するかも知れない」と思ったからである。 19 しかしダビデは、家来たちが互にささやき合うのを見て、その子の死んだのを悟り、家来たちに言った、「子は死んだのか」。彼らは言った、「死なれました」。 20 そこで、ダビデは地から起き上がり、身を洗い、油をぬり、その着物を替えて、主の家にはいって拝した。そののち自分の家に行き、求めて自分のために食物を備えさせて食べた。 21 家来たちは彼に言った、「あなたのなさったこの事はなんでしょうか。あなたは子の生きている間はその子のために断食して泣かれました。しかし子が死ぬと、あなたは起きて食事をなさいました」。 22 ダビデは言った、「子の生きている間に、わたしが断食して泣いたのは、『主がわたしをあわれんで、この子を生かしてくださるかも知れない』と思ったからです。 23 しかし今は死んだので、わたしはどうして断食しなければならないでしょうか。わたしは再び彼をかえらせることができますか。わたしは彼の所に行くでしょうが、彼はわたしの所に帰ってこないでしょう」。 24 ダビデは妻バテシバを慰め、彼女の所にはいって、彼女と共に寝たので、彼女は男の子を産んだ。ダビデはその名をソロモンと名づけた。主はこれを愛された。 25 …

サムエル記下 13

1 さてダビデの子アブサロムには名をタマルという美しい妹があったが、その後ダビデの子アムノンはこれを恋した。 2 アムノンは妹タマルのために悩んでついにわずらった。それはタマルが処女であって、アムノンは彼女に何事もすることができないと思ったからである。 3 ところがアムノンにはひとりの友だちがあった。名をヨナダブといい、ダビデの兄弟シメアの子である。ヨナダブはひじょうに賢い人であった。 4 彼はアムノンに言った、「王子よ、あなたは、どうして朝ごとに、そんなにやせ衰えるのですか。わたしに話さないのですか」。アムノンは彼に言った、「わたしは兄弟アブサロムの妹タマルを恋しているのです」。 5 ヨナダブは彼に言った、「あなたは病と偽り、寝床に横たわって、あなたの父がきてあなたを見るとき彼に言いなさい、『どうぞ、わたしの妹タマルをこさせ、わたしの所に食物を運ばせてください。そして彼女がわたしの目の前で食物をととのえ、彼女の手からわたしが食べることのできるようにさせてください』」。 6 そこでアムノンは横になって病と偽ったが、王がきて彼を見た時、アムノンは王に言った、「どうぞわたしの妹タマルをこさせ、わたしの目の前で二つの菓子を作らせて、彼女の手からわたしが食べることのできるようにしてください」。 7 ダビデはタマルの家に人をつかわして言わせた、「あなたの兄アムノンの家へ行って、彼のために食物をととのえなさい」。 8 そこでタマルはその兄アムノンの家へ行ったところ、アムノンは寝ていた。タマルは粉を取って、これをこね、彼の目の前で、菓子を作り、その菓子を焼き、 9 なべを取って彼の前にそれをあけた。しかし彼は食べることを拒んだ。そしてアムノンは、「みな、わたしを離れて出てください」と言ったので、皆、彼を離れて出た。 10 アムノンはタマルに言った、「食物を寝室に持ってきてください。わたしはあなたの手から食べます」。そこでタマルは自分の作った菓子をとって、寝室にはいり兄アムノンの所へ持っていった。 11 タマルが彼に食べさせようとして近くに持って行った時、彼はタマルを捕えて彼女に言った、「妹よ、来て、わたしと寝なさい」。 12 タマルは言った、「いいえ、兄上よ、わたしをはずかしめてはなりません。このようなことはイスラエルでは行われません。この愚かなことをしてはなりません。 13 わたしの恥をわたしはどこへ持って行くことができましょう。あなたはイスラエルの愚か者のひとりとなるでしょう。それゆえ、どうぞ王に話してください。王がわたしをあなたに与えないことはないでしょう」。 14 しかしアムノンは彼女の言うことを聞こうともせず、タマルよりも強かったので、タマルをはずかしめてこれと共に寝た。 15 それからアムノンは、ひじょうに深くタマルを憎むようになった。彼女を憎む憎しみは、彼女を恋した恋よりも大きかった。アムノンは彼女に言った、「立って、行きなさい」。 16 タマルはアムノンに言った、「いいえ、兄上よ、わたしを返すことは、あなたがさきにわたしになさった事よりも大きい悪です」。しかしアムノンは彼女の言うことを聞こうともせず、 17 彼に仕えている若者を呼んで言った、「この女をわたしの所から外におくり出し、そのあとに戸を閉ざすがよい」。 18 この時、タマルは長そでの着物を着ていた。昔、王の姫たちの処女である者はこのような着物を着たからである。アムノンのしもべは彼女を外に出して、そのあとに戸を閉ざした。 19 タマルは灰を頭にかぶり、着ていた長そでの着物を裂き、手を頭にのせて、叫びながら去って行った。 20 兄アブサロムは彼女に言った、「兄アムノンがあなたと一緒にいたのか。しかし妹よ、今は黙っていなさい。彼はあなたの兄です。この事を心にとめなくてよろしい」。こうしてタマルは兄アブサロムの家に寂しく住んでいた。 21 ダビデ王はこれらの事をことごとく聞いて、ひじょうに怒った。 22 アブサロムはアムノンに良いことも悪いことも語ることをしなかった。それはアムノンがアブサロムの妹タマルをはずかしめたので、アブサロムが彼を憎んでいたからである。 23 満二年の後、アブサロムはエフライムの近くにあるバアル・ハゾルで羊の毛を切らせていた時、王の子たちをことごとく招いた。 24 そしてアブサロムは王のもとにきて言った、「見よ、しもべは羊の毛を切らせております。どうぞ王も王の家来たちも、しもべと共にきてください」。 25 王はアブサロムに言った、「いいえ、わが子よ、われわれが皆行ってはならない。あなたの重荷になるといけないから」。アブサロムはダビデにしいて願った。しかしダビデは行くことを承知せず彼に祝福を与えた。 …

サムエル記下 14

1 ゼルヤの子ヨアブは王の心がアブサロムに向かっているのを知った。 2 そこでヨアブはテコアに人をつかわして、そこからひとりの賢い女を連れてこさせ、その女に言った、「あなたは悲しみのうちにある人をよそおって、喪服を着、油を身に塗らず、死んだ人のために長いあいだ悲しんでいる女のように、よそおって、 3 王のもとに行き、しかじかと彼に語りなさい」。こうしてヨアブはその言葉を彼女の口に授けた。 4 テコアの女は王のもとに行き、地に伏して拝し、「王よ、お助けください」と言った。 5 王は女に言った、「どうしたのか」。女は言った、「まことにわたしは寡婦でありまして、夫は死にました。 6 つかえめにはふたりの子どもがあり、ふたりは野で争いましたが、だれも彼らを引き分ける者がなかったので、ひとりはついに他の者を撃って殺しました。 7 すると全家族がつかえめに逆らい立って、『兄弟を撃ち殺した者を引き渡たすがよい。われわれは彼が殺したその兄弟の命のために彼を殺そう』と言い、彼らは世継をも殺そうとしました。こうして彼らは残っているわたしの炭火を消して、わたしの夫の名をも、跡継をも、地のおもてにとどめないようにしようとしています」。 8 王は女に言った、「家に帰りなさい。わたしはあなたのことについて命令を下します」。 9 テコアの女は王に言った、「わが主、王よ、わたしとわたしの父の家にその罪を帰してください。どうぞ王と王の位には罪がありませんように」。 10 王は言った、「もしあなたに何か言う者があれば、わたしの所に連れてきなさい。そうすれば、その人は重ねてあなたに触れることはないでしょう」。 11 女は言った、「どうぞ王が、あなたの神、主をおぼえて、血の報復をする者に重ねて滅ぼすことをさせず、わたしの子の殺されることのないようにしてください」。王は言った、「主は生きておられる。あなたの子の髪の毛一筋も地に落ちることはないでしょう」。 12 女は言った、「どうぞ、つかえめにひと言、わが主、王に言わせてください」。ダビデは言った、「言いなさい」。 13 女は言った、「あなたは、それならばどうして、神の民に向かってこのような事を図られたのですか。王は今この事を言われたことによって自分を罪ある者とされています。それは王が追放された者を帰らせられないからです。 14 わたしたちはみな死ななければなりません。地にこぼれた水の再び集めることのできないのと同じです。しかし神は、追放された者が捨てられないように、てだてを設ける人の命を取ることはなさいません。 15 わたしがこの事を王、わが主に言おうとして来たのは、わたしが民を恐れたからです。つかえめは、こう思ったのです、『王に申し上げよう。王は、はしための願いのようにしてくださるかもしれない。 16 王は聞いてくださる。わたしとわたしの子を共に滅ぼして神の嗣業から離れさせようとする人の手から、はしためを救い出してくださるのだから』。 17 つかえめはまた、こう思ったのです、『王、わが主の言葉はわたしを安心させるであろう』と。それは王、わが主は神の使のように善と悪を聞きわけられるからです。どうぞあなたの神、主があなたと共におられますように」。 18 王は女に答えて言った、「わたしが問うことに隠さず答えてください」。女は言った、「王、わが主よ、どうぞ言ってください」。 19 王は言った、「このすべての事において、ヨアブの手があなたと共にありますか」。女は答えた、「あなたはたしかに生きておられます。王、わが主よ、すべて王、わが主の言われた事から人は右にも左にも曲ることはできません。わたしに命じたのは、あなたのしもべヨアブです。彼がつかえめの口に、これらの言葉をことごとく授けたのです。 20 事のなりゆきを変えるため、あなたのしもべヨアブがこの事をしたのです。わが君には神の使の知恵のような知恵があって、地の上のすべてのことを知っておられます」。 21 そこで王はヨアブに言った、「この事を許す。行って、若者アブサロムを連れ帰るがよい」。 22 ヨアブは地にひれ伏して拝し、王を祝福した。そしてヨアブは言った、「わが主、王よ、王がしもべの願いを許されたので、きょうしもべは、あなたの前に恵みを得たことを知りました」。 23 そこでヨアブは立ってゲシュルに行き、アブサロムをエルサレムに連れてきた。 24 王は言った、「彼を自分の家に引きこもらせるがよい。わたしの顔を見てはならない」。こうしてアブサロムは自分の家に引きこもり、王の顔を見なかった。 25 さて全イスラエルのうちにアブサロムのように、美しさのためほめられた人はなかった。その足の裏から頭の頂まで彼には傷がなかった。 …